高性能住宅の「気密」の基準はどこにある?
皆さんは「高性能」と謳われる住宅について、「気密」の明確な基準があるかご存知でしょうか?
残念ながら、昨日の「断熱等級」と同様に、国が定める明確な基準はまだありません。工務店によって基準はまちまちというのが現状です。
そして、この「気密」の性能を実際に測定している工務店自体が、まだまだ少ないのが現実です。だからこそ、高性能と気密性を深く関連付け、実測にこだわる私たちのような工務店は、お客様にとって貴重な存在だと自負しています。
そもそも「気密」とは何か?
では、気密とは具体的に何を指すのでしょうか?
一言で言うと、「家の密閉度(すきまの少なさ)を示す数値」です。
家全体にどれだけの「隙間」があるかを測り、その隙間の合計面積を延床面積で割った数値がC値(相当隙間面積)として表されます。このC値が小さいほど、高気密な家ということになります。
この「隙間」から、意図せず空気が流れ込んでしまうことを漏気(ろうき)と呼びます。一方、計画的に空気を入れ替えることを換気と呼びます。高性能住宅では、この「漏気」を徹底的に減らし、「換気」をきちんと機能させることが非常に重要になります。
気密性の悪さが家と健康にもたらす影響
気密性が悪い家、つまり隙間だらけの家は、皆様の暮らしに深刻な影響を与えます。
1. 冷暖房効率の極端な低下: 隙間風(漏気)によって、せっかく温めた空気や冷やした空気が逃げ出し、冷暖房が効きづらくなります。これは光熱費の高騰に直結します。
2. ヒートショックのリスク増: 部屋と廊下、お風呂場など、場所によって大きな温度差が発生しやすくなります。この急激な温度変化は、ご家族のヒートショックのリスクを高めます。
出典:政府広報オンライン
3. 計画換気の破綻: 換気がスムーズに機能せず、室内の湿気や臭いがこもりやすくなります。
出典:社団法人北海道住宅リフォームセンター
4. 【特に深刻】壁内結露による家の劣化: 漏気によって湿気を含んだ空気が壁の中を行き来すると、そこで水滴となり壁内結露が発生します。これは家の構造材を腐らせ、家の耐久性を著しく低下させる最も危険な現象です。
中野ハウジングの「気密」へのこだわり
私たち中野ハウジングは、建物の耐久性と、採用している断熱性能を最大限に活かすためには、「気密」は決して欠かせない最重要性能だと捉えています。
どんなに良い断熱材を使っても、隙間だらけではその性能は台無しになってしまいます。
そのため、私たちはお客様の安心と健康を守るため、現場では一つ一つの隙間を手作業で、丁寧に、徹底して処理を行っています。

※床の気密処理

※壁の気密処理
次回は、私たちが目指している具体的なC値の目標数値について、さらに詳しく触れてみたいと思います。どうぞご期待ください。




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